美郷の自然が育む 四季折々の 山の幸・川の幸を 山里のかくれ家で ごゆっくり ご堪能ください
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店主の独り言

40数年料理人をして参りました。その間いろいろな旅館やホテルの料理長を務めて参りました。

1度に大量の料理を提供するには、まず食材の確保をしなくてはなりません。そのためには、ハウスで栽培された季節感のない食材や冷凍食材を使い、経営効率を重んじるあまり、人件費の削減ならびに、加工食品を使わざるを得ない状況の時もありました。

又化学調味料をふんだんに使用して、簡単便利に食事ができる今日ではありますが、果たしてこれでいいにかと疑問に思う日々を過ごしておりました。

昨今、若者の間に現代病と称して、骨粗鬆症・アトピー・アレルギー等の病気を持ったものが多く、学校や家庭でキレ易い子供が急増するなどの問題がニュースで取り沙汰されるのを見るにつけ、毎日の食事と無関係ではないのではないかと思うようになりました。

私が一貫していい続けて来たことは、「いかなる料理人もおふくろの味には、絶対に勝てない」ということです。長い年月をかけて受け継がれて来た日本の食文化を育てて来た「おふくろの味」をもう一度見直したいと思いました。

得てして、我々料理人は、見た目をきれいに見栄えよくとか、限られた時間の中で料理を仕上げるために手を抜くことを考えがちです。その点おふくろは、一晩中かかって豆をことこと煮たり、朝早くから新鮮な野菜を畑から取ってきて、冷たい水で洗って下ごしらえをするなど、我が子に愛情を惜しまずに、料理を作って来ました。人間形成の上で、食事は大きな役割を担っています。どのような食事を取ることが、人間が健康で幸せに生きられるかを追求して、辿りついたのが、「おふくろの味」です。

私もあと何年現役で包丁を握ることができるかわかりませんが、最後は料理人として納得のいく仕事をして包丁を納めたいというのが私の願いです。

空気と水がきれいで、季節を感じて味わっていただくことのできる食材が豊富な場所をずっと探して、最後に選んだのが、この美郷町でありました。

この静かで自然豊かなこの土地において、もう一度料理人として原点に立ち返り、素材の持ち味を活かし、心をこめて作った料理をお召し上がりいただくことが、私の幸せでございます。